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Lee, K. K.; 大島 武; 伊藤 久義
Materials Science Forum, 389-393, p.1097 - 1100, 2002/05
ゲート酸化膜を水素燃焼酸化で作製したnチャンネル及びpチャンネルエンハンスメント型6H-SiC 金属-酸化膜-半導体 電界効果トランジスタ(MOSFET)特性の線照射による変化を調べた。線照射は室温にて8.8kGy(SiO)/hで行った。ドレイン電流(I)-ドレイン電圧(V)特性の直線領域よりチャンネル移動度を、ドレイン電流(I)-ゲート電圧(V)特性よりしきい値電圧を求めた。チャンネル移動度は、nチャンネルMOSFETでは1MGy(SiO)照射後も未照射と同等の値が得られ優れた耐放射線性が確認された。pチャンネルでは40kGy程度の照射によりチャンネル移動度が一時増加し、その後減少するという振る舞いを示した。これは、照射により発生した界面準位の電荷が未照射時に存在する界面準位の電荷を見かけ上補償したためと考えられる。しきい値電圧に関しては、nチャンネルでは照射による変動が0.5V程度と安定した値であったが、pチャンネルでは照射量の増加とともに負電圧方向へシフトし、1MGy照射により5V以上の変化を示した。
富岡 雄一*; 飯田 健*; 緑川 正彦*; 塚田 裕之*; 吉本 公博*; 土方 泰斗*; 矢口 裕之*; 吉川 正人; 石田 夕起*; 小杉 良治*; et al.
Materials Science Forum, 389-393, p.1029 - 1032, 2002/00
被引用回数:4 パーセンタイル:20.3(Materials Science, Multidisciplinary)SiC-MOSFET反転層の電子移動度は、理論値よりも小さい。これは、SiO/SiC界面にある残留炭素が原因であると考えられている。そこで、乾燥酸素法、及び水素燃焼酸化法で作製したドライ酸化膜、及びパイロジェニック酸化膜、そして低温で作製した酸化膜(LTO膜)について、それぞれのSiO/SiC界面の光学定数を分光エリプソメータにより測定し、それらの光学特性の違いを調べ、界面構造の光学的な違いと酸化膜の電気特性との関連性を追求した。その結果、どの酸化膜においても、界面層のA値(波長無限大における屈折率)の値はバルクSiOの屈折率(n=1.465)より高くなった。これは薄い高屈折率界面層が、SiO/SiC界面に存在することを意味しており、Si-Siボンドのような強いイオン分極を持つボンドが界面に存在することを示唆する。またAの値は、酸化方法に依存しており、LTO膜のA値はパイロジェニック酸化膜、ドライ酸化膜のものより小さくなった。これら酸化膜を用いて作製したMOSFETの電気特性は大きく異なることから、A値がSiC MOS構造の電気的特性と関連していると考えられた。
吉川 正人; 大島 武; 伊藤 久義; 梨山 勇; 奥村 元*; 吉田 貞史*
JAERI-Conf 97-003, p.265 - 268, 1997/03
6H-SiC基板上に、水素燃焼酸化法を用いて酸化膜を作製し、Al電極を蒸着してMOS構造を形成した。このMOS構造に線を最大110MGy(SiO)まで照射し、その時の固定電荷の蓄積量の吸収線量依存性を調べた。その結果、カーボン面上に作製した酸化膜には負の電荷が蓄積することが明らかになった。この蓄積量は照射中にMOS構造に印加するバイアス極性には依存せず、Si MOS構造とは異なった挙動を示すことが明らかになった。一方、シリコン(Si)面上に作製した酸化膜はSiMOS構造ときわめて類似した照射効果を示した。6H-SiC MOS構造の照射効果は、面方位によりその特性が大きく異なることがわかった。